【社交不安症・社交不安障害とは?】
社交不安症(Social Anxiety Disorder:SAD)は、以前は社会不安障害と呼ばれていました。視線恐怖や対人恐怖、対人緊張と呼ばれていることもあります。また、場面緘黙症とも共通点が多い精神科疾患です。人前で極度に緊張したり、その緊張が相手に知られること、自分のふるまいによって恥をかいたり、否定的評価をされることを恐れたりするあまり、日常生活に支障が出ている場合にSADと診断される可能性があります。
これまでの相談内容から、SADの方が避けている状況や、対処方法の例をリストアップしました。ただし、例えば、大勢の前で緊張すること自体はごく一般的な反応です。リストの記述にあてはまったとしても、それだけで問題になるわけではありませんのでご注意ください。
避けている・避けたい状況
- 人前でのスピーチ
- 取引先との交渉
- 授業や授業参観、会議、町内・子ども会の会合
- 他者との会話
- 人前での電話対応
- 試験や集会など拘束される静かな状況
- 自分の子どもが人前で騒いだり迷惑をかける状況
緊張に気づかれたり、否定的評価を受けないようにするための対処の例
- 早口で話し、できるだけ時間を短縮する
- 声を小さくする
- 発言を控え聞き役に徹する
- 出張を避ける、休む
- 町内会、子ども会の役員を避ける
- 電話をするときは人がいない所でする
- オフィスで、かかってきた電話をとることができない
- 店員に質問することができない
- お店で試着することができない(試着したら買う)
- 他者から目をそらさない(あるいは目を合わせない)
- 他者を視界に入れないよう常に下を向いている
- ふるえなど身体の一部が動かないように常に力を入れる
- 外出の際には帽子とマスクで顔を隠す
- 人前で食事ができない
- 汗をかいたり腹痛が起きるのを避けるため水分を極端に控える
- 子どもが他者にあいさつやお礼を言うよう強く強制する(他者に悪い印象をもたれないように)
【社交不安障害の原因と治療】
SADの原因としては「脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミン等)の関与」と紹介されていることがほとんどですが、あくまでも推測であって解明されたわけではありません。また、脳内に原因を求めても具体的な治療法にはつながりません。
REONカウンセリングでは、社交不安障害の原因の究明はしません。それよりも本人を苦しめている行動の悪循環を断つことによって生活上の支障を改善します。
人それぞれ緊張や恐怖の対象は異なりますが、身体の緊張(動悸や息苦しさ、顔のひきつり、顔のほてり、ふるえ、腹痛など)や人前で否定的評価を受ける可能性があるふるまいを避けて生活している方が多いと考えられます。しかし、身体の緊張は「避けたくても避けられない。それどころか避ける努力をするほどそれにとらわれてしまい、結果的に緊張が強まる」という性質があります(多くの不安障害にあてはまる不安や緊張の悪循環です)。そこで、対人緊張などSADの症状でお困りの場合には、緊張や不安のメカニズムについて整理し、悪循環を断ち切る方法を練習していくことになります。
【過去の相談事例の口コミ】
※口コミでは全ての悩みが書いてあるわけではありません。例に挙げている方々は対人緊張など社交不安の基準にあてはまっていた方たちです。
20代女性の感想(正式な診断は受けていません)
一人で漠然とした不安や抱えている問題を解決しようと本やネットの意見に彷徨うより、相談して今の自分に合ったアドバイスをしてくれたことが私にとって救いになりました。目の前の課題が見えたので、あとは私自身変わる努力をしたいです。