5月某日、関市教育委員会主催の研修会(教育相談・担当者研修)が実施されました。そこで、勤務先から派遣されて講師を務めました。

当日は、関市の小中学校の先生方、約40名が会場に集まり、教育相談や不登校支援、学習支援について熱心に耳を傾けてくださいました。

不登校が増加する時代に求められる支援とは

今回の研修では、不登校が増加している現在の教育現場において、「子どもの意思を尊重すること」と「社会性を育てること」のバランスをどのように取るかというテーマについてお話ししました。

不登校支援では、「本人の意思を尊重する」という言葉がよく使われます。

もちろん、子どもの気持ちや思いを大切にすることは非常に重要です。しかし一方で、その言葉が拡大解釈されすぎてしまうと、「本人が動くまで何もしない」「無理をさせないことが支援である」という方向に偏ってしまうこともあります。

日々の臨床実践の中では、子どもの意思を尊重しながらも、社会とのつながりや集団の中で生きていく力をどのように育てていくかが、不登校支援における大きな課題だと感じています。

「意思の尊重」が支援の停滞につながらないために

子どもが学校に行きたくない、集団に入りたくない、勉強に向き合いたくないと感じている場合、その気持ちを否定せずに受け止めることは大切です。

しかし、受け止めることと、何も働きかけないことは同じではありません。

不登校支援においては、子どもの状態を丁寧に見立てながら、今できることを一緒に考えていくことが必要です。

その一歩は、登校だけとは限りません。生活リズムを整えること、家庭以外の人と関わること、短時間だけ別室に行くこと、学習に少し触れることなど、子どもによって必要なステップは異なります。

大切なのは、子どもの意思を尊重しながらも、社会性や学ぶ力を育てる機会を失わないようにすることです。

不登校支援と学習支援は切り離せない

不登校支援というと、登校するかどうかに注目が集まりがちです。

しかし実際には、学習面でのつまずきが自己肯定感の低下につながり、学校への不安や苦手意識を強めていることも少なくありません。

特に、国語の長文読解のように、どこでつまずいているのかが見えにくい課題では、「やる気がない」「集中力がない」と誤解されてしまうこともあります。

だからこそ、不登校支援では、子どもの気持ちを理解することに加えて、学習面で何に困っているのかを丁寧に見立てることが大切です。

まとめ

今回の教育相談・担当者研修では、不登校支援における子どもの意思の尊重と社会性のバランスについてお話ししました。

今後も、医療・心理・教育の視点をつなぎながら、不登校支援や学習支援について、現場に役立つ形で発信していきたいと思います。