先日、企業訪問をした際、担当者からハラスメントに関して、さまざまななご質問をいただきましたので、そこでお伝えしたことの一部をご紹介します。
ハラスメントが起きてしまった場合の対応について、被害にあった従業員に対して、言ってはいけないNG発言を3点にまとめました。

【その①】被害者に対して「被害がこれだけで済んでよかった」と感想を述べてしまう

実際に、女性社員が男性社員から盗撮されたのですが、結果的に未遂で済んだという事例がありました(詳細は伏せておきますが)。

その際、双方の管理者である男性の上司が、被害者である女性との事後の面談で、実際に言ってしまった発言です。完全にアウトです。

被害者の気持ちも聞かないまま、こんなこと言ってしまったら、解決するものも解決しなくなります。裸や下着姿を盗撮されることを考えたら、「この程度で済んだ」なのですが、そんなことは、被害者である女性のみ言うことが許されることばです。悪気はなく、心から「被害が小さくてよかった」と思っても、絶対に口にしてはいけません。

実際の事例では、その上司のことを女性が拒否して、社内での解決は困難と判断して警察に通報しました。

【その②】被害者に対して「あいつも反省しているから、、、わかってやれないか?」と加害者の肩を持つ発言をしてしまう

被害者側からしたら、「あんたも敵かい!」となって、怒るか落ち込むかです。その後、相談をあきらめるか、二次被害を訴えるかもしれませんね。

これも絶対に言ってはいけません。

実際の事例では、残念ながら女性側が退職してしまいました。最悪の結末ですね。

【その③】「今回の件、警察には報告する?そうすると君の立場が悪くなるんじゃないかと心配だけど…」と言ってしまう

もし、法律に違反する犯罪が社内で起きたなら、警察に報告するかどうかを被害者の判断に委ねてはいけません。それを聞いたら被害者が責任を持つことになってしまいます。

そうではなく、あくまでも会社が警察に言う姿勢は持つべきで、それによって従業員が守られる風土が構築されるのです。会社は報告しようとしているのに、被害者がそれをためらうときは話が別ですが、会社側がハラスメントなどの加害者の肩を持つような態度では、ハラスメントが横行する企業になってしまうでしょう。

やはりやってはいけない対応です。

他にも、

「他の従業員の不安を取り除くためにも、事件の内容を全体にも話しておくのでよろしく」と、被害者に相談することなく決めて、実名を出してハラスメントの全容を朝礼で他の従業員に話してしまった会社もありました。

これもお勧めはできないです。
ある程度の報告は重要ですが、全て話す必要はありません。

以上です。
できれば、事件になる前に予防的な体制を構築していくことをお勧めします。