一般的な子育て関連の良書や、発達障害のお子さんへの療育訓練にかかわる良書の紹介

どの子にも完全にあてはまる子育てマニュアルはありません。本で得られた情報(例えば、事例で紹介されている具体的取り組み)をそのままお子さんに当てはめるのはやめましょう。行動分析学では「問題は現場で起きているので解決方法も現場をよく見て(分析して)考える」というスタンスです。本には答えはありませんが、ヒントが見つかるはずです。

1)子育てプリンシプル

2)叱りゼロで自分からやる子に育てる本

3)世界に1つだけの子育ての教科書

まずは師匠である奥田健次先生の3部作でしょう。私が勝手にそう呼んでいるだけですが、並みいる子育て本の中でも圧巻のシリーズです。

シリーズと言っても連続性はありません。例えば、子育てプリンシプルは親の姿勢について一貫性を求める一貫した方向性の本ですし、叱りゼロは単純にほめる、叱る以外の方法による子育ての事例満載の本です。世界に1つだけの子育ての教科書はサイコさんとセンセイとのボケとツッコミがおもしろおかしく、でも内容はかなりシリアスな問題にツッコミを入れている本です(暴言・暴力や偏食の問題などに対して具体的に書いてあるから当然でしょうね)。

それぞれの本の共通点としては、一貫して行動分析学の専門用語はほぼ使わずに、スラスラ読めてしまうところです。耳に痛い箇所は多々あるかもしれませんが、難しい内容はありません。是非読んでください。

4)教師と学校が変わる学校コンサルテーション 奥田健次(編著)(2018)  金子書房

学校関係者向けのタイトルですが、幼稚園や保育園通園中、あるいは学齢期のお子さんを持つ保護者の方は読んでおくべき一冊です。もちろん、学校の先生方にも読んでいただきたい一冊です。

後半に掲載されている事例がすごすぎて「我が子はここまで重たくない」とか思うかもしれませんが、その感想だけで終わるのはもったいないです。

現在国内でどのような学校コンサルテーションが行われているのか、専門家がどのように動いているのかという現状について知ることができますし、合理的配慮など保護者が学校に求めていくことができる内容について理解もできます。さらには「ここまでできるんだ」という実例が満載です。

この本の内容(と周辺の知識)を頭に入れておくことで、学校の先生がどのような考えで動いているのか予想しやすくなりますし、どのようにすれば動いてくれるのかのヒントになります。