質問:認知行動療法はやっていますか?

回答:はい。ただし、厳密には認知行動療法というよりも応用行動分析学に基づく行動療法というほうが正確です。認知行動療法は名称が急速に普及し、多くの技法や理論体系が混ざり合って非常に曖昧になってしまっています。驚かれるかもしれませんが、日本には「認知・行動療法学会」という名称の学会と「認知療法・認知行動療法学会」という名称の2つの学会が存在しています。前者は「行動療法学会」が、後者は「認知療法学会」が名称を変更したものですが、2つの学会が統合されなかったことから推測すると、同じ認知行動療法という用語を使用していても、その用語の意味はそれぞれの立場では異なっているようです。

このように名称のみ拡がりを見せて中身がぼやけてしまった認知行動療法には、専門家として疑問に感じる技法や理論体系も多くあります。そういった立場との違いを明確にするためにREONでは「行動療法」あるいは「応用行動分析学」に基づくアプローチと紹介しています。

質問:行動療法とは何をするのですか?

回答:行動療法では、相談者(クライエント)の悩みを「行動」の問題としてとらえ、具体的に整理していきます。この「行動」という用語には、歩く、怒鳴る、泣くなどの一般的な定義だけではなく、考える、話す、不安を感じる、緊張するなども含みます。そのように具体的に整理すると、問題解決のために何をすべきか、何をしたらよいのかが見えてきます。相談内容によって何をするのかは異なりますが、ただ話し合いを続けるだけではなく、例えば、日常生活における課題(ホームワーク)やカウンセリング中の練習なども重視しています。

ご本人が希望される場合、カウンセリング時間の最後の10分〜15分を使って、その日のまとめ作業をすることができます。具体的には個別のクライエントファイルを作成し、毎回のカウンセリングで話し合った内容を文章にまとめて差し込み、持ち帰っていただきます。こうすることで自宅に戻ってからも、どんな話し合いをしたかを見返すことができ、また数か月後にも内容を確認することができるので「何に取り組んでいるのか」「どれだけ変化があるのか、あるいはないのか」が明確になります。

※希望される場合にはお知らせください。

質問:応用行動分析学とは何ですか?行動療法とは異なるのでしょうか?

回答:応用行動分析学とは行動分析学に基づいて、社会的に重要な問題を解決するためのアプローチです。精神科外来領域においてクライエントとセラピストが会話を通して行う心理療法の中で、クライエントの生活への介入を行動分析学の視点で行う場合に、臨床行動分析とも呼ばれることもあります。その領域を輪で表現するならば、行動療法の輪と重複する部分はありますが、完全に一致するものではありません。

質問:箱庭や描画法はやっていますか?

回答:箱庭は設置されていません。描画法については、HTPやバウムテストなど投影法検査としての描画法は一切実施しておりません。ただしお子さんと一緒に絵を描いたり、おもちゃで遊ぶことはあります。

質問:プレイセラピーはやっていますか?

回答:お子さんと一緒に遊ぶこともありますが、それは言語訓練などの療育訓練の一環として行います。精神力動的な立場からのプレイセラピーは実施していません。

質問:家族療法はやっていますか?

回答:「家族を巻き込んだ支援」を家族療法とすれば、家族を巻き込んでカウンセリングを実施することはあります。むしろ重視しています。例えば、お子さんの不登校や場面緘黙の問題の背景にご両親の意見の不一致があったり、不安障害の方が、配偶者の対応によって知らず知らず悪循環を起こしていることも少なくありません。ご夫婦の問題は片方の努力だけでは解決が難しいものです。そういった場合には本人に関わる家族の対応について考えます。いずれの場合にも家族や本人の行動を一つ一つ解きほぐしていく作業から問題解決に導きます。