日本場面緘黙研究会 第1回研究大会参加・登壇報告

2026年3月14日・15日に西南女学院大学(福岡県北九州市)にて日本場面緘黙研究会 第1回研究大会が開催されました。

2日目には、理事会企画のシンポジウム「行動分析学に基づく場面緘黙支援の実践と課題」にて、仁藤と井森が登壇し、REONカウンセリングに申し込みがあった事例をいくつか発表しました。

そして、行動分析学の視点から、場面緘黙への具体的かつ実践的な支援方法について議論が行われました。

具体的には、以下のような支援枠組みが示されました。

  • 先行事象・結果事象の分析に基づく支援設計

  • シェイピングや刺激フェイディング、段階的エクスポージャーの活用

  • 人・場所・活動の3要素に基づくアセスメント

  • 強化子の機能分析と適切な随伴性の設定

また、発話だけでなく、活動参加や社会的行動の形成・般化を促進する可能性が示されています。

また、保護者・養育者の支援参加が極めて重要であり、支援の成否に大きく関わる要因として位置づけられていました。


発表内容(REONカウンセリング)

1.幼児期の場面緘黙への介入(井森萌子)

就学前の場面緘黙傾向児に対し、家庭で成立しているイントラバーバル(言語的反応)の枠組みを活用し、「定型質問」を用いた介入を実施しました。家庭と園で質問内容を共有し、複数の場面で一貫した働きかけを行うことで、発話機会の拡大を図る実践について報告しました。

2.学齢期以降の場面緘黙への介入(仁藤二郎)

中学生の場面緘黙事例に対して、「超スモールステップ」による介入を行い、発話以外の行動(食事・トイレ等)から段階的に改善を図りました。さらに、担任とスマートフォンを介したやり取りを導入し、発話への橋渡しとなる支援を試みた事例について報告しました。

指定討論においては、奥田健次先生より厳密な視点からのご指摘をいただき、

  • 指標の取り方について

  • イントラバーバルによって形成できた発話行動を、ナチュラルな会話に発展させていくための手立て

といった点について、今後の実践と研究に向けた重要な課題が整理されました。

今後に向けて

当日は、支援者や保護者の方々からも多くの声をいただきました。「これまで見守り中心の支援を行ってきたが、行動分析学を学びたいと感じた」と話してくださった方もいました。

今回の研究大会を通して、場面緘黙に対する行動分析学的アプローチの有効性とともに、

  • アセスメントの精緻化

  • 指標設定の妥当性

  • 保護者・支援者の協働

といった課題の重要性が改めて明らかになりました。

REONカウンセリングでは、今後も実践と研究の両面から、場面緘黙への支援の質を高め、教育・臨床現場に還元していきます。