主訴

「人見知りで、よく知らない人と話すことが苦手。緊張してうまく話せない」「人にどう思われるかとても気になる」と人付き合いへの強い不安と緊張を訴え、高校1年生の男子が母親とともに来談。

まず状況を整理したところ…

状況①

学校では、自分から人に話しかけることは一切なく、聞かれたことにだけ答えるなど反応も最小限にしていたようです。声や動作により周囲の人からの注目を集めることを避けようとして、なるべく音を立てないようにして過ごし、視線を教室前方に固定し、休み時間中は動かずに時計を見て、時間が過ぎるのを待っていました。

状況②

外食に行く際には、他人の視線を気にし、人目を避けるような席に座ったり、他の人が少ないタイミングで立ち歩き、食べ終わるとすぐに店から出るといった行動パターンがありました。

学校や私生活の多くの場面で、「他者に不快感を与えてはいけない」「失礼があってはいけない」など、自分の行動によって相手に迷惑がかかることを極端に避けていることがわかりました。
そこで、他者の前で、振る舞い方のレパートリーを増やすという目標を共有しました。

取り組んだ結果

約半年間、セラピストと共同で取り組みをりした結果、次のような成果が得られました。

学校では、休み時間に友だちの席へ行って話したり、カバンから物を取り出したり、スマホを見たりと、自然に、自由に動けるようになったとの報告がありました。

以前であれば、バスに乗るときに、他の乗客と目があわないようにするために、バスの後方に視線を向けることができずドア付近の席しか選べませんでしたが、今では空席を見渡して好きな席を選べるようになりました

外食時にはレストランのドリンクバーで、他者がいてもいなくても、自分のタイミングでドリンクを取りに行けるようなりました。そもそも以前は外食も極力さけていたそうです。

そして、とうとう高額なゲーミングパソコンを購入するために、アルバイトも始めました

取り組みによって、対人緊張や不安が減り、友人もできて、元気に明るく過ごせているとのことでした。

 

この事例については、Noteにて、ストーリー仕立てでご紹介しています。
ご興味がある方は、ご一読ください!!

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