場面緘黙の改善とカウンセリング|接し方・学校や園との連携

場面緘黙(ばめんかんもく)は、家では話せる一方で、学校や園、面接など特定の場面になると話せなくなったり、声が出にくくなる状態です。

「いつか話せるようになる」と様子を見ているうちに症状が固定化してしまい、「学校で話せない」「先生や友だちの前で固まる」「どこに相談すればいいか分からない」と悩むご家庭も少なくありません。

REONカウンセリングでは、応用行動分析学(ABA)に基づき、お子さんの状態を整理しながら、家庭・園・学校でできる具体的な関わり方や段階的な練習方法を提案し、改善を目指していきます。

場面緘黙とは

主に自宅や両親の前では話せるのに、他の場面(学校や園、習い事、会社、友だちや先生の前)では話せない状態のことを言います。

  • 表情が硬くなる
  • 体が動きにくくなる
  • 挨拶や返事ができない
  • 先生や友だちの前で固まってしまう

このように、話すことだけでなく、体の動きや表情の緊張として困りごとが現れることもあります。

場面緘黙のお子さんへの接し方

対応において注意すべきは以下の2点です。

❶無理に話させようとする

❷話す必要がある場面を「すべて」避ける(過保護にしすぎる)

改善するためには、環境を整えながら、少しずつ自分からチャレンジできる場面を作っていくことが大切です。
REONカウンセリングでは、お子さんの状況を聞き取りながら、日々の接し方や練習の進め方について具体的にご提案します。

家庭や学校でできる場面緘黙の練習

境界線を広げる

場面緘黙では、「話せる人・場面」と「話せない人・場面」の境界線がはっきり分かれていることが多いです。心理治療では、この境界線を少しずつ曖昧にして、話せる場面を広げていくことを目指します。

【例】スーパーでクラスメイトの姿が見えた瞬間話せなくなる子の場合

「スーパーで家族だけ」なら話せますが「スーパーでクラスメイトの姿あり」だと話せないという境界線が成立しています。

  1. クラスメイトがいないスーパーで家族と話す練習
  2. クラスメイトが「店外」にいても家族と話す練習
  3. クラスメイトが「店内」の「遠く」にいても話す練習
  4. クラスメイトが「店内」の「近く」にいても話す練習

練習内容の一例(クイズやしりとり)

「挨拶」や「お礼」よりも、クイズやしりとりを練習に使うことがあります。理由は以下の通りです。

  • ルールが決まっているので「何を言えばいいか」が分かりやすい
  • 遊びの要素があり、子どもが取り組みやすい
  • 答えるだけでなく、「相手に質問する(クイズを出す)」ことも目標にできる。
  • 自然なキャッチボールに繋がりやすい

※挨拶などの一言から練習する方法と、どちらが優れているかということではありません。

学校や園への配慮のお願いについて

クラスでの挙手発表など、本人の負担が大きい場面について、学校や園に配慮をお願いすることは可能です。ただし、「話せないので配慮してください」と一方的に指示するのは避けるべきです。

将来的にできることを増やしていくために、今どのような段階の支援が必要かを共有することが大切です。

❌ 避けたい伝え方
「緘黙で話せないので、ずっと配慮してほしい」という印象になる伝え方。

⭕️ 良い伝え方の例
「将来的には話せるようになってほしいので、家でも徐々に変化を促す対応をしていきたい。ただ、現状の●●という課題は本人にはハードルが高すぎるようなのですが…」

REONカウンセリングでの場面緘黙支援

REONカウンセリングでは、場面緘黙のお子さんについて、家庭・学校・園での様子を確認しながら、どの場面で話せるのか、どの相手や状況で話しにくくなるのかを整理します。

いきなり大きな目標を設定するのではなく、本人がチャレンジしやすい段階を作り、家庭や学校で取り組める練習を提案します。必要に応じて、園や学校への伝え方についても一緒に検討します。

※激しい癇癪、不登園や不登校、学習の遅れなど、別の問題が起きている場合、緘黙と同時にそれらの問題を扱うことになります。その場合には、相談期間が長くなり、緘黙の取り組みまでに時間がかかることがあります。

場面緘黙症についてよくあるご質問

Q.
場面緘黙は改善しますか?

A. はい、改善します。低年齢から介入するほど高い効果が見込めます。
場面緘黙は「話せない」こと以外にも、体の動きや表情が緊張してぎこちなくなることが少なくありません。お子さん一人ひとりの状態を詳細にアセスメントし、家庭や学校と連携して段階的な練習を重ねることで、確実に改善を目指せます。

Q.
期間が長いほど回復は難しくなりますか?

A. 長引くほど「話さない子」というイメージが固定化し、心理的な壁が高くなります。
「話せない子」として扱われている期間が長引くほど、練習を希望しにくくなったり、取り組みが長期化することがあります。しかし、焦って無理な課題を課すのは逆効果です。本人が自発的にチャレンジしたくなる「環境設定(家庭環境、取り組み環境)」を整えることが、改善に向けて重要です。

Q.
子ども本人に「場面緘黙」と伝えた方がよいですか?

A. 年齢や理解の程度によって、慎重に判断する必要があります。
低年齢の場合は、無理に言語化しない方がよいこともあります。一方で、年齢が上がるにつれて、本人が困りごとを共有し、練習が必要かどうかを話し合うことが大切になる場合もあります。REONでは面接を通して、お子さんの現状やご家族の対応を詳細に整理した上で、判断していきます。

Q.
運動会などの行事への参加でトラウマにならないか心配です。

A. 単純に不安に直面させれば良いわけではなく、かと言って不安を排除し続けても解決しません。
「人前で話せない経験」が「話したい」という動機のきっかけになる場合もあります。その子の抵抗の度合いやこれまでの経緯を見極め、両方の視点で慎重に判断することが大切です。

Q.
不安を抑える薬を飲むのは有効でしょうか?

A. 服薬だけで「突然話せるようになる」という劇的な変化は期待しにくいのが現状です。
薬物療法のエビデンスは個人差が大きく、服薬は慎重に検討した方がいいと思います。SSRIが有効であったという研究報告があれば、有効ではなかったという報告もあります。まずは環境調整や心理的なアプローチを主軸にし、本人が感じている「ドキドキ」の正体を理解して、それを味方につける練習をしていく方が、長期的な改善に繋がりやすいです。

利用者の声

実際に場面緘黙のお子さんへの支援を行ったご家庭からは、「具体的な対応が分かった」「学校や園で話せるようになった」といった声を多くいただいています。

参考になる情報

場面緘黙についてより深く知りたい方や、当室の実績・活動については以下の情報もご参考ください。

この記事の執筆・監修者

仁藤 二郎(REONカウンセリング 代表)

公認心理師 / 臨床心理士 / 専門行動療法士


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