【強迫症とは】

昔は強迫神経症と呼ばれていたこの病気は、強迫神経症から強迫性障害と呼称が変更になり、最近では強迫性スペクトラム障害や強迫症と呼ばれるようになりました。ここではこれまでの呼称である強迫性障害(OCD)と表記しています。

OCDは一般的には「心配や不安が頭から離れず生活に支障が出ている状態で、ある儀式行為をするとその心配や不安が一時的に消えるため、儀式を繰り返してしまう」精神科疾患です。儀式が数十分から数時間と長くなったり、一日何回も繰り返したりすることで儀式行為自体が苦痛になり、重度の方ではひきこもったり、一日中寝ていたりします。

例えば、ふとしたきっかけで手に汚れが付着したのではないか?と心配になり、そのままでは不安で他のことができなくなります。そしてその心配は手洗いを入念にすると一時的に弱まるので、生活に支障をきたすほど手洗いが頻繁で長くなっていることがあります。

もし「排泄物」などが実際に付着した場合でも、短時間の手洗いでは生活に支障は出ませんが、OCDの方の場合「ついたかもしれない」「汚れた気がする」という万一の可能性を考えて手洗いをしてしまいます(汚れを落としているというより、頭の中の考えを打ち消しているという状態かもしれません)。また、排泄物ではなくても、一般的にはそれほど汚れているとはされていない物・場所であっても「汚れた」と感じ、手洗いを繰り返すため、汚れている対象が広範囲に広がります。

次のような行為はないでしょうか?

1.「自分や他者を汚染するのでは?」と考えて、手洗いを長時間、あるいは何度もする。

2.お風呂やトイレに人一倍時間がかかる。あるいは、時間がかかるので極力行かないようにしている。

3.除菌シートを一日に何十枚も使用する。

4.汚染を避けるために、外出や他者との交流を避けている。あるいは自宅内で避けている部屋や場所がある。

5.「火を消したはずなのに、もしかしてついているかもしれない」と考えて、何度もガスコンロを確認したりひねったりする(IHのスイッチを何度もオン・オフする)。

6.電化製品のオン・オフが気になるので、極力使用しない。

7.「鍵が閉まっているかどうか」が気になり、何度も鍵をかけなおす。あるいはドアノブをガチャガチャと確認する。

8.書いた字や打ち込んだ文字を繰り返し確認する。あるいは何度も書き直す。

9.確認が頻繁で長いことから、家族などの他者に確認を代わってもらう。あるいは「大丈夫だよね?」などと繰り返し質問する。

10.道徳的に反した不吉な(例えば性的・攻撃的)イメージが浮かんでくるので、考えないよう(言わないよう)に何らかの行為(例えば、頭をふる、たたく)をする。

11.不吉なイメージが浮かぶと決まった儀式行為を決まった手順で行わないと次に進めない。

12.自分の部屋にモノがあふれているが、どれも「いつか必要になるかも」「捨てたら後悔するかも」などと考えて処分することができない。

13.日常生活において、さまざまな動作を例えば3回繰り返さないと次に進めない。

14.ミスや後悔を避けるために、全ての動作が非常にゆっくりとしており生活に支障が出ている。

15.強迫的な行為(儀式行為)を行なっている間に、家族などから声をかけられると大声で怒る。また、最初から儀式をやり直すことになる。あるいは、大声で怒るのを避けるために、家族が儀式を手伝っている。

【さまざまな強迫性障害】

洗浄強迫

確認強迫

加害強迫

【強迫性障害の原因と治療】

強迫性障害の原因は不明です。発達障害の方に多いという事実から遺伝的影響も大きいと考えられますが、どなたでも多少なりとも強迫的な行動があります。それが生活にネガティブな影響を与えない限り問題にはなりません。

効果的な治療方法はエクスポージャーや曝露反応妨害法、儀式妨害などと呼ばれており、ご本人や家族にとって負担が大きい方法ですが、適切な方法で練習をすれば必ず治ります

REONカウンセリングでは強迫以外の問題がなければ(そして暴露反応妨害に取り組むことができれば)、5〜15セッション程度で改善がみられます。ただし、OCDとOCDではない人の間には境界線がありませんので、どんな状態を治ったとするのかをあらかじめ決めておく必要があります。

複雑な問題が絡み合っていることも多く見通しは個別に立てますので参考程度にしてください。

また、強迫性障害の治療ガイドラインが厚生労働省から配布されています。

REONカウンセリングではエクスポージャー(曝露)を行うまでの心理教育や日常生活にポジティブな変化をもたらすための工夫、エクスポージャーの方法そのものがガイドラインとは多少異なりますが、事前に目を通しておかれると取り組みの全体像が把握できるので時間と費用の節約になるでしょう。

【過去の相談事例の感想】

20代女性

落ち込みが酷い


感情のコントロールが難しい、家事ができないなどの症状に苦しみカウンセリングをお願いしました。
心療内科では診断が付き薬も処方されましたが、不安もあり治りませんでした。
毎日が本当に苦しくて辛かったのですが、結論、今は悩みが解決して穏やかに過ごしています。家事も苦労せずできるようになりました。
先生と話して、自分でも気付いていなかった考え方の癖や何が自分を苦しめているのかを整理することができ、対策を実行することができたことが回復に繋がったと思います。
真剣に、冷静に話を聴いていただけるので感情的になってしまう私にはとてもありがたかったです。
「ただ単に話を聴いてほしい、癒されたい」というのではなく、「本当に困っていて改善したい」という気持ちの方におすすめしたいです。


30代女性

最初は夫婦関係に悩み、夫婦で一緒に通い始めました。 ですが、こちらに通ったことで自分が強迫性障害であることが分かりました。

仁藤先生のカウンセリングは、話しを聞いてもらい一時的にスッキリするような、よくあるカウンセリングとは違います。

時に厳しくもありますし、行動療法は自分自身の努力が必要不可欠です。 最初は上手くいかずしんどい時期もありましたが、夫婦共に関わり方を変えたことで、関係は劇的に改善されました!

強迫性障害においてはまだ課題はありますが、夫婦関係が改善されたことだけでも本当に通って良かったです。